Books

2008.10.31

+GAINERオーム社版が発行されました

Amazon.co.jpではなかなか書影が表示されない状態が続いていましたが、書籍「+GAINER」のオーム社版が、多くの方のご協力により、無事発行されました。

+GAINER―PHYSICAL COMPUTING WITH GAINER
GainerBook Labo + くるくる研究室
オーム社
売り上げランキング: 13349

内容的にはAS3ライブラリに関する解説を追加した他、九天社版での細かなミスの修正、およびSparkFun版以降に登場したハードウェアについての紹介などが追加されています。装丁にもいくつか違いがありますので、書店等で見かけたら是非手に取って見てみてください。:)

2008.09.14

メディアの実験集「モノサシに目印」

Unknown Qualityのエントリー「モノサシに目印とインタラクションデザインの教科書」で発売を知って早速購入しました。白状しておきますと、Web Designing自体はは不定期購読しているのですが、この連載はほとんど記憶がありませんでした。いつも電車の中とかで特集記事とかを中心に短時間で読んでいるため、読み飛ばしてしまっていたのだと思います。すみません。こんな面白い連載を読んでいなかったというのは大きな損失だと反省しています。

メディアの実験集「モノサシに目印」 コトバ/デザイン/アソビ (Web Designing BOOKS)
長谷川 踏太
毎日コミュニケーションズ
売り上げランキング: 80919

そんなわけで新鮮な気持ちで全ての記事を読むことができたのですが、いずれもとても面白くて興味深いものでした。あえてどれか1つを、とすると「絶対と相対」でしょうか。連載当初に「よくある雑誌の連載ページのように、毎回同じレイアウトでやらない。」というルールを設定されたということで、これを実行するのはかなり大変だったのではないかと思いますが、その結果がこの面白さにつながっていると思います。「やめてくださいと言われるまでやめない。」ということですので、今後の連載も楽しみです。

2008.09.07

欧文書体2

ra66itのエントリーで知って購入してみました。実際にサインやラベルで使われている例の豊富な紹介や、定番書体のデザイナーへのインタビューがあり、この分野で仕事をしているわけでないのですが楽しく読めました。

インタビューは読み応えがありましたし、使用場面に応じた使い分けの説明も、単にマニュアル的に示すというよりは適度に定番を示してくれる感じで、読者が実際に試してみる余地がきちんと残されているバランス感がいいと思いました。あと、フランクフルト空港のサインなど、いくつか実物を自分でも見たことがあるものがあったのもちょっと嬉しかったです。

そういえば、この本の中でも紹介されていましたが、Helveticaに関するドキュメンタリー映画のDVD日本版「ヘルベチカ ~世界を魅了する書」が10月に発売されるのですね。映画はすっかり見逃してしまいましたので、DVDで見てみようかと思っています。

2008.09.06

インタラクションデザインの教科書

最近、iPhoneなどの影響もあってか以前に比べると随分広い分野でインタラクションデザインとかIxDという言葉を耳にするようになって来た気がします。そうしたタイミングで登場するこの「インタラクションデザインの教科書」は、教科書という名の通り、インタラクションデザインとは何か、から始まって関連する話題まで広くピックアップしてあって参考になります。

インタラクションデザインの教科書 (DESIGN IT! BOOKS) (DESIGN IT!BOOKS)
Dan Saffer
毎日コミュニケーションズ
売り上げランキング: 3441

英語版を日本で入手するよりも安いですし、造本もコンパクトであちこち持ち歩いて読むにも苦にならない感じで、そうした意味でも日本語版スタッフの配慮が感じられる良い本だと思います。それぞれのトピックを深く掘り下げるところまでには至っていませんが、自分で調べていくための足がかりは十分に提供されていると思います。

この本の中でも紹介されていますが、インタラクションデザインという用語をはじめた使ったのは1990年のビル・モグリッジということになっていますが、ほぼ人類のコミュニケーションの歴史に相当するくらいの古くて新しいテーマです。

私自身がここ数年取り組んでいるフィジカルコンピューティングも、インタラクションデザインを教えるための方法の1つなのですが、今年に入って流行語のように扱われてしまう傾向があることにちょっと危機感を感じています。決して「電子工作の新しい呼び方の一つ」と誤解されないで伝えられるよう、引き続き気をつけながら活動して行きたいと思っています。

2008.07.02

携帯電話のデザインロジック

しばらく前に読了していたのですが、こちらに書くのが遅れました。四半期ごとに新製品が山のように発売されるというのは携帯鎖国の日本ならではの現象です。「携帯電話のデザインロジック」は、日本の携帯電話キャリアと、インハウスデザイナーではないデザイナーモデルを担当したデザイナーへのインタビューで構成された本です。

この中で一番印象に残ったのは「今後携帯電話は、人々にとってどのような存在になるのか?」という質問に対する深澤直人氏の回答でした。

あんなに小さなキーを押して長いメールの文章をやり取りするなどということは誰も想像ができなかったと思います。携帯情報機器の進化は人間が持ち合わせた機能やセンサーの優秀さや精密さをあらためて人間に教えてくれます。予想もできなかった人間の隠された能力や機能がこのような電子機器によって露になるということがいえます。

これからの驚きは、機械の進化ではなく、それを使いこなす人間の機能に気づくことだと思います。

こうした考えは、個人となってしまったジェフ・ラスキンが「ヒューメイン・インタフェース」の中で提唱していた「直感的に使えることばかりが重要ではなく、ちょっとした訓練を積めばその後はとても効率的なインタフェースもある」という考えにも共通する部分が多いと思います。機会のめんどうな都合を人間側の訓練でカバーさせるというのは賛成できませんし、楽器演奏のような長期間の習熟が必要なものは現実的でないと思いますが、かなり探求の余地が残されていると思います。

その他の携帯キャリアやデザイナーに対するインタビュー部分もそれなりに興味深く読むことができました。携帯といえばそろそろiPhoneが発売され、それなりにブームになることは間違いないと思うのですが、それが日本の携帯にどのように影響していくのか?というのは今一番興味深いトピックです。マルチタッチ(操作した実感が全く得られない上に日本語入力だと誤操作頻発)、アニメーションを多用したインタラクション(楽しいけど一部にかなりトリッキーな操作がある)、極限まで減らしたハードウェアボタン(目的までたどり着くのに結構ステップがかかる)など、いずれも最適な解なのか?という点に関しては自分としてかなり疑問を持っているのですが、こうした特徴だけを表面的に真似たプロダクトが頻発しないと良いなぁ、と思っております。

文字のデザイン・書体のフシギ

このシリーズは以前から面白いなぁと思っていたのですが、何かの本を購入したついでにAmazon.co.jpからすすめられたのでこの本も購入して読んでみました。

文字のデザイン・書体のフシギ 神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2
祖父江 慎 藤田 重信 加島 卓 鈴木 広光
左右社
売り上げランキング: 19439

どのレクチャーも興味深いものでしたが、自分に取って一番興味深かったのは、最後に収録されている鈴木広光氏の嵯峨本に関するレクチャーでした。恥ずかしながら、嵯峨本については今までちゃんと知らなかったのですが、手描きをそのまま再現したかのような一件複雑な版面が、実にシンプルなルールに則った活字で組まれているというのは驚きでした。また、そのシンプルさ故に一部の活字を入れ換えることで工芸品的な一品モノを作り出すことができる、というのもこの方法だから可能になることですね。印刷=大量生産のための技術、という理解をしていましたが、パーソナルファブリケーションなどとも共通する、現在ならではのアプローチに関する大きなヒントを得られた気がします。

2008.06.07

まるごと Ruby! Vol.1

るびきちさんのブログで紹介されていたので発売を知り、早速購入してみました。

まるごと Ruby! Vol.1
まるごと Ruby! Vol.1
posted with amazlet at 08.06.07
るびきち arton 大場光一郎 高井直人 後藤謙太郎
新井俊一 瀧内元気 cuzic 倉貫義人 大場寧子
久保優子 十河学 舞波
インプレスジャパン
売り上げランキング: 337

全体的に話題満載で面白かったのですが、特に興味深かったのが特集1「もう1つのRuby入門」での(Javaの良さもきちんと紹介した上での)JavaとRubyの比較や、特集2の「最先端Ruby 1.9と高性能JRuby 1.1」でのJRubyに関する記事でした。JavaとRubyの比較では、Rubyのブロックに相当するものがJavaの無名インナークラスで実現できる、というのが印象的でした。ブロックと比較すると記述量は多くなってしまいますが、Eclipseのようにあれこれ面倒みてくれるエディタであればそんなに面倒ではないかもしれません。また、JRubyに関しては、ちょうどaction-codingでJRubyの可能性をひしひしと感じていたところでしたので、全体の状況をコンパクトに把握するのにとても役立ちました。次のVol.2が予定されているのかどうかはわかりませんが、もし発売されたらまた購入して読んでみたいと思います。

2008.05.10

メディアアートの教科書

最近発売された「メディアアートの教科書」を購入してみました。書名に「教科書」と銘打たれているように、メディアアートそのものの歴史や関連分野の代表的な作家の作品研究、年表や参考文献など、これからメディアアートを勉強しようとする人が最初に必要とする項目が網羅されています。今まで、雑誌での特集などはありましたが、こうして一冊にまとまったもので、かつ最近の状況までを扱ったものはありませんでしたので、新しく学習する場合だけでなく、関連領域のサーベイをする場合にもよいスタート点になると思います。

メディアアートの教科書
フィルムアート社
売り上げランキング: 6818

あえて残念な点をあげるとすると、全体の五分の一近くを特定のソフトウェアの使い方が占めていることです。帯のコピーにも「歴史、思想、ソフトウェアの使い方まで」とありますので、意図してそれだけのウェイトを置いているのだと思います。しかし、ソフトウェアの場合にはバージョンとともに大きく操作性が変わってしまいます(実際にインタラクティブなコンテンツを作成するのに使われているDirectorも2004と11ではかなりUIが変更になってしまっています)。こうした本では非常に難しいところだと思いますが…。

なんにせよ、こうした「教科書」が登場したのは、この本の中でも指摘されているようにメディアアートが第2のフェーズに移ろうとしているということなのでしょう。こうした状況と、メディアアートなどと深い関連を持ちつつ、また別の大きな流れとなりつつあるMaker Faireとのシンクロは興味深く思えてなりません。様々な時代背景を反映させるカルチャーなので当たり前と言えば当たり前かもしれませんが。

Movable Type 4 新しいWebサイトの黄金則

ここのところ必要に迫られてMovable Type 4.1を勉強中なのですが、そのために何冊か書籍を購入しました。その中で、どれか一冊を選ぶとすればこの本です。

Movable Type 4 新しいWebサイトの黄金則-MTで実現するCMSサイト構築のすべて-
仲座 恵美 宮永 邦彦
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 6179

MT4の大きな特長といえばCMS対応の強化なのです。この本ではインストール方法、基本機能の紹介に続いて、コーポレートサイト、ポータルサイト、カタログサイトのデザイン(構造+視覚)の解説があるのですが、考え方の解説と実際のコーディングや設定の解説のバランスが非常にいいと感じました。マイナーなバージョンアップで変更になってしまうような詳細部分を解説した本だとすぐに古くなってしまうのですが、原理原則の部分は簡単には古くなりません。また、例としてあげられている3つのサイトも、汎用性と具体性のバランスがよく考えられていると思います。

業務でバリバリとサイトを構築する方にとっての意見はまた違うものになってくるのかもしれませんが、小規模プロジェクトのCMSを自力で構築して運営する、という方には適切な切り口の本ではないかと思います。

2008.05.04

小飼弾のアルファギークに逢ってきた

遅ればせながらではありますが、あちこちで話題になっていた「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」を購入しました。WEB+DBは普段は読んでいませんし、恥ずかしながら小飼さんのブログも読んだことがありませんので小飼さんの文章を読むのは全くの初めてなのですが、興味深いインタビューが多くて楽しく読めました。

この中で一番印象的だったのはProgramming Rubyなどの著書で知られるPragmatic ProgrammersのDave Thomasのインタビューの中での一節です。

 「ソフトウェアエンジニア」としてもっとも重要なのはなんでしょうか。何をもってソフトウェアエンジニアというのでしょう。

Dave ソフトウェアエンジニアというものはありません。少なくともまだないです。どういうことかというと、これ以上削れないところまで削るのがエンジニアリング。これ以上削れないところまで削るということは、どこまで削るとそれが壊れてしまうかというのがわかっていることです。まだソフトウェアに関しては我々はそのレベルに達していないんです。達していないから、まだソフトウェアエンジニアという言葉は嘘である。

 じゃあ、我々がやっていることは何て呼んだらいいんでしょう。

Dave コーディング。

なるほど、確かにそうですね。私自身、自己紹介などで「ソフトウェアエンジニア」という言葉を使ってしまうことがたまにあるのですが、今度からは「コーダ」にしようと思います(笑)。

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