しばらく前に読了していたのですが、こちらに書くのが遅れました。四半期ごとに新製品が山のように発売されるというのは携帯鎖国の日本ならではの現象です。「携帯電話のデザインロジック」は、日本の携帯電話キャリアと、インハウスデザイナーではないデザイナーモデルを担当したデザイナーへのインタビューで構成された本です。
この中で一番印象に残ったのは「今後携帯電話は、人々にとってどのような存在になるのか?」という質問に対する深澤直人氏の回答でした。
あんなに小さなキーを押して長いメールの文章をやり取りするなどということは誰も想像ができなかったと思います。携帯情報機器の進化は人間が持ち合わせた機能やセンサーの優秀さや精密さをあらためて人間に教えてくれます。予想もできなかった人間の隠された能力や機能がこのような電子機器によって露になるということがいえます。
これからの驚きは、機械の進化ではなく、それを使いこなす人間の機能に気づくことだと思います。
こうした考えは、個人となってしまったジェフ・ラスキンが「ヒューメイン・インタフェース」の中で提唱していた「直感的に使えることばかりが重要ではなく、ちょっとした訓練を積めばその後はとても効率的なインタフェースもある」という考えにも共通する部分が多いと思います。機会のめんどうな都合を人間側の訓練でカバーさせるというのは賛成できませんし、楽器演奏のような長期間の習熟が必要なものは現実的でないと思いますが、かなり探求の余地が残されていると思います。
その他の携帯キャリアやデザイナーに対するインタビュー部分もそれなりに興味深く読むことができました。携帯といえばそろそろiPhoneが発売され、それなりにブームになることは間違いないと思うのですが、それが日本の携帯にどのように影響していくのか?というのは今一番興味深いトピックです。マルチタッチ(操作した実感が全く得られない上に日本語入力だと誤操作頻発)、アニメーションを多用したインタラクション(楽しいけど一部にかなりトリッキーな操作がある)、極限まで減らしたハードウェアボタン(目的までたどり着くのに結構ステップがかかる)など、いずれも最適な解なのか?という点に関しては自分としてかなり疑問を持っているのですが、こうした特徴だけを表面的に真似たプロダクトが頻発しないと良いなぁ、と思っております。
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