メディアアートの教科書
最近発売された「メディアアートの教科書」を購入してみました。書名に「教科書」と銘打たれているように、メディアアートそのものの歴史や関連分野の代表的な作家の作品研究、年表や参考文献など、これからメディアアートを勉強しようとする人が最初に必要とする項目が網羅されています。今まで、雑誌での特集などはありましたが、こうして一冊にまとまったもので、かつ最近の状況までを扱ったものはありませんでしたので、新しく学習する場合だけでなく、関連領域のサーベイをする場合にもよいスタート点になると思います。
あえて残念な点をあげるとすると、全体の五分の一近くを特定のソフトウェアの使い方が占めていることです。帯のコピーにも「歴史、思想、ソフトウェアの使い方まで」とありますので、意図してそれだけのウェイトを置いているのだと思います。しかし、ソフトウェアの場合にはバージョンとともに大きく操作性が変わってしまいます(実際にインタラクティブなコンテンツを作成するのに使われているDirectorも2004と11ではかなりUIが変更になってしまっています)。こうした本では非常に難しいところだと思いますが…。
なんにせよ、こうした「教科書」が登場したのは、この本の中でも指摘されているようにメディアアートが第2のフェーズに移ろうとしているということなのでしょう。こうした状況と、メディアアートなどと深い関連を持ちつつ、また別の大きな流れとなりつつあるMaker Faireとのシンクロは興味深く思えてなりません。様々な時代背景を反映させるカルチャーなので当たり前と言えば当たり前かもしれませんが。

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