いつも興味深く読ませていただいているMotoe Lab, TUのエントリーでこの本の出版を知って早速購入してみました。
アキッレ・カスティリオーニ―自由の探求としてのデザインposted with amazlet on 08.01.10多木 陽介
アクシス (2007/12)
売り上げランキング: 1400
この本ではカスティリオーニのさまざまな仕事について、最終的な形態に行き着くまでの考え方や過程を詳しく紹介しています。結果だけを見ると、突飛なフォルムを狙ったように見えてしまいがちなデザインも、背景を知るととてもシンプルな理由で到達していることがわかります。また、進め方に関しても興味深い話題が数多くありました。中でも印象に残ったのは「インテグラルプロジェクト:総合的に考える」の中の一節です。
カスティリオーニ兄弟はしばしば自分たちの仕事のあり方を「インテグラルプロジェクト」と定義していた。この「インテグラルプロジェクト」とは、「全面的プロジェクト」「総合的デザイン作業」とでも訳せる言葉だが、あるプロジェクトに関わる全ての分野のコラボレータの間に絶え間ない協力関係があり、デザイナーがその全ての段階に関わっていく場合に生まれてくるデザインのあり方を指す。(中略)現代におけるデザインの作業において最もデザイナーにとって実行が難しくなっているのもこの「インテグラルプロジェクト」というあり方であろう。特にエレクトロニクス部門の製品では中身に関しては完全にエンジニアがつくってしまうので、彼らがいうような意味での完全共同作業としてのデザインはまず不可能になり、いわゆるデザイナーが「すべてを考える」ことも稀になった。(中略)農夫のように「物」を最初から最後まで世話することはもうあり得ないのだろうか。
恐らく、フィジカル・コンピューティングという考え方が出てきた背景はこの辺りにあるのではないかと思います。解決が難しい問題の一つだとは思いますが、決して不可能ではないと思うのです。ここ数年、最も興味を持っている分野ですので、引き続きツールキットの開発やワークショップなどを行いつつ、昨年までとはまた違った分野にもアプローチしていきたいと思っています。

コメント