ブルーノ・ムナーリといえば、デザイナー、アーティスト、教育者としてかなり有名な人なのですが、正直に告白すると、つい最近まで意識してその作品を見たり、本を読んだりすることがありませんでした。しかし、先日ある人から「この本面白いよ」と紹介してもらった絵本がこの人のものだったというきっかけで、何冊か本を注文して読んでみました。
この「ファンタジア」はイタリア語版が出版されたのはずいぶん昔(1977年)ですが、日本語版が出版されたのは今年(2006年)になってからです。この本のタイトルにもなっている「ファンタジア」は、創造力、発明、想像力に関連する人間のもうひとつの能力のことです。
この本の中には、いろいろと印象的な部分があるのですが、最初に印象に残ったのは次の部分です。
子供は壮大なファンタジアの持ち主だと多くの人が信じている。なぜなら、現実的ではないものを子供のイタズラ書きや話す内容から感じられるからだ。(中略)しかし実際には、子供もきわめて単純な捜査をしているに過ぎない。つまり、子供は良く知らないものに知っているものを投影しているのだ。食べる、泣く、眠る、母さんと話す、うんちをする、歩く、そして眠る、これが子供のすること。世界を知らない子供にとってはどんなことも自分と同等になる。(中略)これはファンタジアではなく、自分の知っている世界の投影でしかない。
この文章の前半のように「子供の創造力」に関しては、一般によく言われることなのですが、あえてそこを否定しつつ、別の箇所では次のように述べます。
しかしながら、創造力を刺激する遊びを通じて子供の知識が広げられないと、既に知っている事柄同士の関係を築くことはできない。仮に関係を築くことができたとしても、それは非常に限定された方法でなされたに過ぎず、それでは子供のファンタジアを発達させるに至らない。(中略)もし成長する際に手助けされないとなると、大人になっても趣味の時間に同じものを同じ方法で描くことになってしまう。
これは、たまたま最近同じようなテーマについて考えていたせいもあるのですが、かなり印象的でした。この後は、創造力を刺激することの重要性、そのための遊びの発明などの話につながって行くのですが、これは小さな子供達だけでなく、新しいことを貪欲に吸収して行こうとする段階にある大人にも言えるのではないかと思いました。
この他、次の本の中で詳しく照会されている気の書き方など、著者が行ってきたいくつかのワークショップに関する説明も興味深いものでした。
中身についてはさっぱり調べずに購入してしまいましたが、結果的には自分にとってはかなり刺激的な内容でした。他にもいろいろと面白そうな本が出ているようですので、何冊か読んでみたいと思います。あと、自分の子供用ということにして絵本も一冊買いましたが、これも色使いなどが印象的な良い絵本でした。自分も楽しめ、自分の子供も(多分)楽しめるということで、当分絵本は機会があるごとに買ってしまいそうです(笑)。
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