昨年のNIMEは、Dr.Moogの通訳その他のスタッフとしての参加でしたので、発表で参加するのは今回が初めてでした。今回の「Spinner」は、応募〆切の一週間前にようやくプロトタイプが動作し、そこから大急ぎで応募用のペーパーを用意したというものでした。
実際の発表までには、いろいろと改良を加えようと思っていましたが、これもいろいろな事情で準備が遅れ、最終的にはバンクーバーのホテルでやっとデモ用のファームウェアが完成しました。もちろん、途中途中でそれなりの状態で発表できるようなものは用意していましたが、もっと余裕を持って進めるべきだったと反省しています。作品制作でも〆切間際での集中力によって生まれるものがあるというのはよく聞く話ですので、こういうのもありかなと少しだけ思いますが(笑)。
そんなわけで、かなり危ない橋は渡りましたが、なんとか発表でき、いろんな人から様々な意見をいただけたのは大きな収穫でした。特に、「こういうネタだったらこんな学会でも発表してみたら?」という意見をもらえたのは今後につながるという意味でとても良かったと思っています。また、「シンプルでいいよね」という意見が多く聞かれたのもうれしく思いました。実際には、技術的に複雑なものを作るのが難しかったためにシンプルなものになったという裏事情はありますが(笑)、今後もシンプル路線で進めて行きたいと思います。
正直なところ、今回参加するまでは、今後の自分の研究をどのような方向で進めていこうか迷っていました。しかし、NIME05で会ったいろいろな人から、「君が一番関心のあるところはどこなの?」と聞かれ、とりあえず「ユーザー・インタフェース」と答え続けていたら、だんだんそんな気になってきました。そんないい加減なことではいかんのかもしれませんが、以前から興味を持っていた領域でしたので、今回の発表をきっかけに深めていこうと思っています。
NIMEの他の発表に関しては、自分にとって非常に興味深いものから、正直なところ「これはどのくらい意味があるんだろう?」と思ってしまうものまでいろいろありましたが、全体を通じてアットホームな雰囲気の中で行われていたのは非常に良かったと思いました。参加者が百数十人と少ないことも大きな要因としてあると思いますが、シングル・トラック構成(デモやポスターを除く)で一通り全部の発表を見ることができ、なんとなくそれぞれの顔を覚えることができるというのはやっぱりいいなぁと思います。
来年はIRCAMが中心となってパリで開催されるということですので、ぜひまた応募したいと思います。もちろん、そのときには今回のような状態ではなく、もっと完成度の高いものをペーパーとして発表したいと思っています。
最後に、これは何人ものはじめて話す人とあって思ったことですが、自分のデモを短くまとめたムービーをノートPCかPDAに入れて常に持ち歩けばよかったなぁ、と思いました。すべての人がすべての予稿集に目を通しているということはありえませんし、短時間に言葉だけでうまく伝えるというのは難しいものです(特に自分の母国語でない場合には)。NIMEに限らず、次の機会があったらやってみようと思います。
コメント