Link: Concert 1
FRIDAY, 19:30-21:30: CONCERT 1
1. VirtualAERI II, 1998
2. McBlare, 2005
3. Mocap Performance Instrument, 2004
4. Return of the Habaneros, 2003
- 5. Wriggle Screamer II, 2005
- 6. "Duet for Violin + Violinist", 2004
- 7. HOPPER CONFESSIONS: Room in Brooklyn, 2003
二日目の夜にはConcert 1が行われました。
最初のVirtualAERI IIはヴァーチャル・ヴァイオリン「SuperPolm」を用いた作品で、1998年に書かれた楽曲です。今回は音楽とは独立したインタラクティブな映像も同時にパフォーマンスされました。このヴァーチャル・ヴァイオリンには通常のヴァイオリンのような発音体となる弦は無く、様々なセンサーで取得したジェスチャーなどで演奏するというものでした。それぞれのジェスチャーがどのように発音と結びついているのかは、正直なところそれほど明快ではなかったと思います。しかし、弓を使用した演奏というのは動きも大きく、指先だけで演奏する楽器と比較すると視覚的に訴える力が大きいことは確認できました。また、今回の作品は昨年のNIME04に併設されたレクチャー・コンサートでは諸事情で演奏されなかったものだけに、実際の演奏の様子を見ることができたのも嬉しいところでした。映像に関しては、いわゆるaudiovisualの様にオーディオから生成されるものではなく、独立してコントロールしているということでしたが、インタラクティブに映像をコントロールできる場合には、この方法も有効だと感じました。
次のRoger Dannenbergの作品は、カーネギーメロン大学(CMU)の記念式典のために作られたバグパイプ演奏ロボットを用いた演奏でした。なぜバグパイプかという件に関しては、この前のペーパーセッションで説明がありましたが、CMUの創設者がスコットランドにゆかりがあったなど、いくつかの理由によるものなんだそうです。演奏前にDannenbergがロボットに近づき、スイッチを入れると、コンプレッサーが動作を始め、その後に演奏が始まりました。演奏自体は、音だけ聞いていれば普通のバクパイプに聞こえるのですが、装飾音の自動生成も含めてすべて機械制御されているものでした。楽器を演奏するロボットというと、愛知県で開催されている万博でもトヨタなど数社が展示していますが、これはこれでなかなかに印象的なロボットでした。コンプレッサーで空気が送り込まれ始めると膨らみ、最後にコンプレッサーが停止するとピッチが下がりながらしぼんでいく様子などは、ユーモラスで興味深いものでした。

次のMocap Performance Instrumentは、事前に用意したモーションキャプチャーデータと、その場のダンサーのパフォーマンスを組み合わせるというものでした。詳しいシステムについては聞いてくるのを忘れてしまいましたが、あらかじめ用意されたデータと、リアルタイムの要素をうまく組み合わせているようでした。その場でのダンサーのモーションの解析は画像解析を用いているのか、この手のパフォーマンスにありがちなごてごてしたセンサーも無く、普通にダンスできるようになっていました。映像とダンサーの動きの関連は非常に密接なものではありませんでしたが、時々シンクロしたような動きを見せることがあり、ステージ上のダンサーと画面の中の人形(?)が一体化して見えるのが興味深いパフォーマンスでした。4:3のスクリーンへのプロジェクションと、その前でのダンス、という関係からもっと踏み込むと、様々な可能性があるのではないかと思いました。
Return of the Habanerosは、バスクラリネットとエレクトリック・チェロの演奏+それぞれの演奏者によるボーカル、という組み合わせでした。最初はおだやかに挨拶をしていたかと思ったら、急に叫び始め、そのまま演奏に突入しました。演奏中はライブ・サンプリングを行い、その場で演奏したチェロのフレーズをサンプリングして、それをループ再生しながらさらに別の音を重ねていく、といったスタイルで行われました。演奏中にはこまごまとした失敗があったような気がしますが、ライブ・サンプリングという手法の持つ緊張感もあって、興味深いパフォーマンスになっていました。唯一気になったのは背景に流れている映像でした。これは特にインタラクティブな要素は無く、普通にあらかじめ用意されたものが流れているようでした。演奏のテンションとリンクするような様子も無く、これだったら映像は無しで演奏だけの方がより魅力的なものになったのではないか、と感じました。
Wriggle Screamer IIは "Light Strings"と "MiniBioMuse-III"といういずれもオリジナルのセンサー系楽器を使用したパフォーマンスでした。演奏の直前、ステージ袖から機材を移動している時にセンサー用のインタフェースが落下するというハプニングがあり、見ているほうもかなり心配しましたが、全く問題なく動作を続けました。"Light Strings"は「光のハープ」というべき楽器で、ハープに良く似た演奏法で弦がないのに音が出る、というわかりやすさとわかりにくさが同居した面白い楽器だと感じました。
"Duet for Violin + Violinist"は、前日に発表のあったハイパー・ヴァイオリン系の楽器による演奏でした。パフォーマンス中では、ジェスチャーによって演奏される様々なサウンドと、エレクトリック・ヴァイオリン部分からのサウンドをうまくブレンドされていました。エレクトリック・ヴァイオリンのピックアップは通常のピエゾではなく光学式ということでしたが、弦の振動の細かいニュアンスまで再現できていて、よさそうな感じでした。
Dan Overholtとは少し話す機会がありましたが、このヴァイオリンは指板などもオリジナルで起こしているということでした。そのような感じで、ヴァイオリン本体部分に関しては完成度が高そうでしたが、ジェスチャーに関してはまだまだ改良の余地があるのではないかと感じました。確実にセンシングされるようにするためか、必要以上にオーバーアクションになり、ちょっと演奏しにくそうでしたし、若干のレイテンシーも感じられました。そうした部分が改良されれば、魅力的な楽器になるかもしれません。
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